ごあいさつ

現当主、十五代目「城間栄順」から、次代を担う十六代目「栄市」への、「技と心の継承」をテーマに、先代の十四代目 故城間栄喜の作品を現代の技術により再現した作品や当時の作品などの展示で、城間家三代の技の変遷をご紹介すると共に、 沖縄県ではあまり目にする事のない幅広い種類の和装(着物や帯)や、琉球舞踊でおなじみの伝統的な「踊り衣装」、貴重かつ独特な技法で染める「うちくい」、琉球藍を用いた「藍型」作品など、歴史的にも価値の高い作品の展示を致します。
多くの方々にご来場頂き、歴史ある本物の紅型を知っていただきたく、入場料を無料と致しました。沖縄が世界に誇る貴重な伝統工芸「紅型」の歴史的価値や美しさ、その歴史や職人の技の素晴らしさ、城間家に代々受け継がれてきた「技と心」を多くの方にご紹介させて頂くと同時に、 微力ではありますが、伝統工芸のさらなる発展に繋がればと考えております。

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継承展によせて

16代目 城間栄市

 祖父栄喜は戦後無茶苦茶になってしまった首里の街を見てびんがた復興を誓う。心がくじけそうになると戦後唯一残っていた首里らしい景色「金城町の石畳」を見に行っては故郷への想いを募らせていた。
「もっと強く熱くならないと!親祖先の想いを僕が伝えていくんだ!!」
爺ちゃんの声が聞こえてきそうだ。
 そのそばで一緒にびんがた復興を成し遂げた父栄順。そして父はある時期から「着物」の世界を意識し始める。
当時の沖縄は海洋博覧会があり観光ブームの真っ只中。
新しい市場をイメージし始めた父栄順に対して「もう着物を着る人はいなくなるし、今から沖縄は観光立県になっていくから、観光向けの製品を作りなさい」と祖父は言った。
しかし、父栄順は心の中で(着物世界こそ親祖父から受け継いだ技術を高度に守っていける道だ。着物に挑戦したい!!)と考えていた。
鎌倉芳太郎曰く「びんがたは女性を美しく見せる世界でも類まれな衣類だ」
父は、びんがたを用いて日本の女性を美しく見せるために前人未到の挑戦を始める。
もしかしたら戦争で亡くした自分の母への思いからもその道を選んだのかもしれない。

 城間びんがたは昔から本当に多くの人が働いてくれている、やってくる職人希望の方々が後を絶たない。そして、辞めない。
とても人に恵まれた工房だと思う。
いまそのバトンを受け取ろうとしている私が、一番大事にしていきたいことは「うむい」ものつくりの思い。

 今回の継承展に臨む気持ちは「うむい」で、それを軸に作品を作っていきたい。
城間がなんとか今までやってこれたことは、祖父栄喜の「沖縄には首里にはびんがたがなくてはならない!!」という強烈な意志と父栄順の「着物に挑戦し高度な技術と人材を残したい!!」という意思によって、そしてその遺志に賛同し協力していただき、影で表で助けてくれた沢山の人たちによって現在がある。
私はその遺志を継ぐ者として、今回の城間びんがた三代継承展を「城間びんがたの伸びしろを感じ、感動してもらえる」展示にしたい。

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